「死んでも好き!!」って、つまりこういう事。
スティーヴン・スピルバーグの隠れた名作。
あまり積極的に観ない恋愛モノだけど、スピルバーグらしいファンタジックな空気感と軽快なタッチが心地良くて、好きだなぁ、この作品。
コロラド州の森林火災の消火隊員ピート(リチャード・ドレイファス)は、危険を顧みない飛行機の操縦で、恋人のドリンダ(ホリー・ハンター)をいつも心配させてばかり。ある日飛行機にトラブルが起こった同僚のアル(ジョン・グッドマン)を助けようとし、命を落としてしまう—— 。
森林火災の現場で、上空から消火剤を噴霧する消化隊員達の活躍に胸を躍らせる前半。
大好きなリチャード・ドレイファスとジョン・グッドマンの掛け合いが最高!!ピートがアルを助けようとするシーンでは、ホロリと涙が…。
ヒロインを演じるホリー・ハンターがまた素敵。男勝りなドリンダが、ドレスを着て消化隊員達と代わる代わるダンスを踊ったり、ピートを亡くしてからの演技は切なさが胸に迫る。
事故で命を落としたピートが目覚めた時に現れた1人の女性。ハップと名乗るその女性は、ピートに現世に戻る様に命じ、パイロット養成学校の生徒テッドに守護霊として助言を与える事を勧める。
この、天使ハップを演じるは、本作が最後の出演となったオードリー・ヘップバーン。かつての若々しさはないものの、変わらず見目麗しく、かつ神々しい。
スピルバーグからの出演依頼に胸を躍らせたオードリー。そして同じくスピルバーグも、人生最大の喜びの一つはオードリーと一緒に仕事をした事だと語っているそう。
テッドの守護霊として現世に舞い戻ったピート。
現世の人々に彼の姿は見えないが、彼の言葉は、自身のインスピレーションの様に感じる事が出来る。
ピートの死を受け止めきれず、失意の中で悲しみに暮れるドリンダ。そして、そんな彼女に好意を抱くテッド。それを見てやきもきするピート。
でも、いつまでも彼女の傍にいる事は出来ない。
きちんとお別れして、彼女を前に進ませないといけない。
死んでお別れしたのに、二度目のお別れ。
くぅ〜、泣ける!!
スピルバーグ、泣かせにかかる。
これが愛だ。
これこそ愛だよ。
死んではいるけど、ピート自身に悲壮感はなく、重く切ない物語にならないのは、リチャード・ドレイファスのお茶目さ故か。
個人的にはめっちゃ良かった。
Filmarksの評価はそこまでじゃないけど、これは推したい。