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トラック野郎 望郷一番星のblacknessfallのレビュー・感想・評価

トラック野郎 望郷一番星(1976年製作の映画)
4.0
シリーズ3作目🚚🚚🚚
2作目でやった1作目のトレースで何かを掴んだようで、今作は非常に弾けてて楽しい。
何を掴んだかって言うか要するにギャグが受けたんだからギャグをドンドンぶち込むってこと。

オープニングの広島では室田日出男さんと川谷拓三さんが交通警官で"仁義なき戦い"の広島やくざトーンでトラック野郎達を恫喝する。
「切符切ったろか、われぇ⤴️」みたいな感じで😂

川崎のジョナサンの家では辛抱堪らなくなった桃次郎がトルコに行くと言うと、ジョナサンの妻が子供達のお風呂がまだだから一緒にトルコに連れ行ってと頼む笑
しぶしぶ子供連れでトルコに行く桃次郎。このトルコシーンがなかなかカオス笑
トルコ嬢達は嬉々としてかいがいしく子供達の体を洗ってあげる。
ポツンと取り残された桃次郎は悶々としてる。堪らず1人の嬢と事を行おうとするが子供が見てるからといなされる笑
今なら絶対に撮れないシーンだよな。ほのぼのしてていいシーンだけど笑
それに子供達、幼児幼女の局部がノーモザイクだし地上波は無理だね。
今は無理と言えば、ジョナサンの子供全員がミッキーマウスのTシャツ着てる。
この頃はディズニーそこまでチェックしてなかったんだね笑 今ならクレーム入れてくるよ。

なんか今回、桃次郎がやたらにスケベと言うか性欲ギンギンで発情してんだよね。
フェリーのシーンではセクシーギャルを目にしては勃起するし、しかも勃起したペニスを女性の尻にあてがってしまったり、、笑
フェリーから身投げしようとしてる美女を止めてるうちに思わずおっぱいを触る。
完全な痴漢で即逮捕もんだよ😂

前半はハレンチなクズでしかないんだよ。
笑えたけどさすがに不安になった。
一応、寅さんへの対抗としてやってるのに、もうここまでクズだと寅さんにならねえだろうと笑
でも、このクズっぷりが吹っ飛ぶ活躍でしっかり寅さん的な感じになるのがこの映画のすごいとこ。

まず今回のマドンナ島田陽子が経営する競走馬の育成牧場で死にかけた子馬を一晩中寝ずに介抱して子馬の命を救う。
獣医も助かる見込みがないと殺処分を勧めるぐらいの重傷だから奇跡だよね、素人の介抱だけで治るリアリティーを言うのは野暮だよ笑
これを機に島田陽子と仲が深まり(桃次郎の思い込み)島田陽子に告ろうとする桃次郎。
だが、島田陽子はさっきの獣医と恋仲で彼との結婚決めたとこだと打ち明けられる(いつものパターン)
ここで桃次郎はショックを見せず、笑顔で2人を祝福する。寅さんだよ!
おもしろかったのが、告る前に牧場の片隅に競走馬に見えないゴツい馬🐴がいて傍らにいる飼育係のおじいさんに、この馬も競走馬なの?、と尋ねる。おじいさんは、「こいつは当て馬で交尾のために雌を発情させる役割で雌が発情したらお役御免になる」と教えてくれる。
それを聞いた桃次郎はちょっと当て馬🐴を見下す表情で「じゃあ、こいつは一生童貞か気の毒に、人間でもそういうのいるんだよなぁ」と、これから女と結ばれる自分とは大違いだな😏的な雰囲気で意気揚々と告白に向かう。
実は桃次郎もしっかり当て馬だったってオチに繋がるうまい演出だよ笑
結局、フラれる形になり、またその当て馬🐴を見るんだけど、今度は当て馬🐴を暖かげな表情で見つめ「兄弟よぉ」と呟いて当て馬🐴に寄り添う笑
この一連の流れ笑い止まらなかった。ペーソスとアイロニーが秀逸。
しかし、当て馬って言葉は知ってたけどこんな意味だったとは、、男としては噛ませ犬よりなりたくないよ😖

それはともかく、マドンナの恋路を祝うだけじゃ前半の発情クズっぷりは相殺されない笑
なので、失意の桃次郎はこの後、ライバルドライバーのカムチャッカ(舞台のメインが北海道なんだよ、今回)の恋の手助けに桃次郎の奔走でカムチャッカは恋人と結ばれる。
カムチャッカ役は梅宮辰夫さんで、気性の荒い暴れ熊なんだけど心根がハイパー純で優しい男を好演してた。

まだ桃次郎の善行は続く。
カムチャッカの恋を成就させた返す刀で事故死した都はるみフリークの仲間のドライバーの追悼盆踊り大会を企画する。
興業先に押し掛け都はるみに直談判をする。土下座までして仲間がいかに都はるみが好きだったか訴える桃次郎の熱意に絆された都はるみは興業をキャンセルして盆踊り大会でリサイタルを笑
すごいよ桃次郎、有り余る性欲エネルギーを全て善行につぎ込んでるね笑
この時に都はるみが歌うトラック野郎音頭、歌詞がかなりヘンテコで楽しい。


そして最後、定番の相棒ジョナサンのやらかしで到底間に合わないと思われる場所に荷を届ける展開に。
ジョナサンやらかすけど今回は家族のために一戸建て🏘️を買うことを決意してすごい真面目に働いてたんだよね。
桃次郎が発情期だったからバランス取るためかな笑

そして不可能に挑む桃次郎の爆走。
舞台が北海道なんで道路が広いし、なんか山道なんかも野性味が強くて画に力があった。
山道の途中にあるボロボロの今にも壊れそうな吊り橋を渡るシーンはまんまこの前観た"恐怖の報酬"と同じでサスペンスフルだった。トラックと吊り橋は鉄板の組合せだね。

前半の色狂いがひどかったからどうなるかと思ったけどいつも以上に人のために奮闘する桃次郎に魅せられる結果になった。
前半のクズっぷりと後半のいいやつっぷりのメリハリが激しくてそれが作品のおもしろさに効果的に作用してた。

まだ前半5作だけど、これが今のとこ最高傑作かな。

しかし、恐怖の報酬もトラック🚚映画だったし、当分、トラック🚚が出てくる映画は見たくないな笑
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