アルノー・デプレシャン監督が自らの評価を不動のものにした長編3作目。
膨大な会話で紡ぐ3時間の傑作青春ロマンス。
前作『魂を救え!』で主演を務めたエマニュエル・サランジェが本作でも登場。そしてマチュー・アマルリックは本作でセザール賞有望若手男優賞に輝いた。
この年のカンヌに出品されたが賞はなし。パルムドールはマイク・リーの『秘密と嘘』、審査員グランプリをラース・フォン・トリアーの『奇跡の海』が受賞した年である。
本作は芝居至上主義的な作品であり、90年代の『ママと娼婦』とも言える。主人公のモノローグと精神分析医にるモノローグを軸に紡がれるストーリーと、単純なショットの積み重ねがサスペンスを生むという徹底的なカメラ・ワークが見事だ。