イスケ

スケアクロウのイスケのネタバレレビュー・内容・結末

スケアクロウ(1973年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

太陽と風。
神様とピッコロ。
ライオンとマックス。

案山子には表情も意思も無いから、自分の心がどう向いてるかを示すリトマス紙になり得るのかもしれないですね。


終わり方が素晴らしかったなぁ。
往復切符という絶妙な塩梅。

「あ、きっと彼は……」と、
余白を残しつつも、なんとなくふたりの未来が見えるような。

それまでもずっと「あれ?ふたりはもしかして……」と感じてはいたけど、病院から飛行機のチケットの流れを見るに、ふたりの間にあったのは友情であり、愛情でもあったんだなと(ほぼ)確信しました。


邪推かもしれないけど、
元を辿れば、5年間の逃亡も妻(女性)との生活は難しいと考えたからなんじゃないかしら。

「デトロイトに向かおう」という気持ちになったキッカケも子供の年齢を改めて認識したからだし、離れたところから仕送りだけ続けてきたことも子供のためだろう。
プレゼントに至っては元妻のことはすっぽり抜けていて、子供のことしか頭にないように感じたもんな。


ライオンは散々実際に家族のもとへ足を運ぶことにこだわっていたのに、いざ家の前に行くと「まず電話だ」と言って、腰がひけるのが可愛いかったw

まぁ、でもそれが分岐点だったとは思うのですよ。

家に直接行っていれば、子供に会うことができた可能性が高いけど、
仮にライオンが「本当は女性を愛せない人」なのであれば、ズルズルと本当の自分ではない自分として人生を送るより良かったとも取れる。

このあたりは推測の域を出ないので、余白を楽しむことしかできませんが。
イスケ

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