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スケアクロウのpauhのネタバレレビュー・内容・結末

スケアクロウ(1973年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

どこか抜けているけど優しくて争いすら笑いで収めようとするライオンと、無愛想で喧嘩っ早いけどライオンが襲われれば仇討ちをする程相手を思うマックスのコンビが癖になる魅力があり、最後まで飽きずに楽しめました!
冒頭の出会いのシーンから既に面白く、これから何が起こるんだろうとワクワクしてしまうような空気感があり、オープニングの入り方も良かったです。
道中様々な事が起こりながらも絆を深めていく二人に夢中になり、特に人を笑わせる事で争いも防げるというライオンの考えが素敵でした。
それに感化され、マックスも後半のカフェでの喧嘩の際わざとおどけて笑わせる事でライオンの機嫌を直そうとしている姿に成長を感じ、店内に響く大勢の笑い声にも心が暖まりました。
また捕まった際での不機嫌なマックスに根気強く声をかけ続けるライオンの優しさや、あれだけ意固地になっていたのにライオンが襲われた時には関係無く仇を打ちに行くマックスの思いにも胸を打たれ、二人の揺るがない友情にも感動しました。
ラストの嘘とはいえ息子の流産発言で我を失ってしまうライオンの姿には心が締め付けられましたが、そのせいで寝たきりになってしまったライオンを見捨てず靴底のへそくりを叩いてまで往復券を買うマックスに、裏切りは絶対に許さないからこそ自身も裏切らない心意気を感じてかっこよかったです。
自分も最後の一本であるマッチを分け与えられる人間になりたいと思える、素敵な作品でした!
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