ボブおじさん

ガンジーのボブおじさんのレビュー・感想・評価

ガンジー(1982年製作の映画)
4.4
〝これから何世代か後の人々は、このような人間が生きて、この世に実在したとは信じられないのではあるまいか〟ガンジーについてそう語ったのは、アルベルト・アインシュタインである。

大英帝国を打ち負かし、3億5千万人の国民を自由にしたのは1人の驚くべき男であった。彼の目的はインドの自由、戦術は平和、武器は人間愛だった。

インド独立運動の指導者マハトマ・ガンジーの波乱に満ちた半生を「遠すぎた橋」「マジック」「遠い夜明け」の名匠リチャード・アッテンボロー監督が20年の構想期間をかけて実現させた大作。

何よりガンジーの信念の強さが熱い感動を呼ぶ物語だが、インド現地ロケのリアルな映像が圧倒的。群衆場面のエキストラの人数が30万人以上というのは記録的数字で、そのスケールの大きさは「アラビアのロレンス」をしのぐほどたった。

主演は「シンドラーのリスト」などの実力派俳優ベン・キングズレーで20代から78歳で暗殺されるまでを見事に演じてアカデミー賞主演男優賞を受賞した。今や誰もが知る名優だが、公開時は映画では無名の舞台俳優だった。私もてっきりインド人の俳優だと思っていた。あまりにガンジー本人とそっくりで、ロケ地のインドの人々が本人が甦った噂するほどであったという。

映画が公開された1983年に観た時は、インドの歴史や文化に詳しくなかった為、壮大なスケールの群衆映像とキングズレーやガンジーを取り巻いたイギリス・アメリカ・インドの名優たちの演技にばかり目が行ってしまった。

今回改めて見返して、イギリスで教育をインド ボブおじ伝記受けた彼が、属国だったインドへ戻ってからのアシュラム(共同農園)を根拠にした差別闘争とその後の彼の歴史的功績をより深く理解することができた。

教科書のわずか数ページの記載では彼の功績は伝わりきらない。アインシュタインの心配を杞憂に終わらすためにも多くの人に観てもらいたい映画である。