菩薩

恋の菩薩のレビュー・感想・評価

(1971年製作の映画)
3.9
童貞なのでよく分かった。禁断の恋を重ねる二人の間を健気な蜜蜂の様に飛び回る青二才は、それによって出来上がる蜂蜜が毒を含む物である事をまだ知らない。ブルジョワ社会に終焉を齎す外部からの闖入者、って訳でもないのかな、一応悲劇の先に首の皮一枚虚飾の世界は継続していくみたいだし。おせっせのせの字も知らない幼気なボーイは恋に恋焦がれ恋にふふ〜んと、綺麗なお姉たまに気に入られる為に自ら泥沼へと足を踏み込んでいく。不穏な劇伴に黒魔術、撃たれる兎、毒草、13本の蝋燭、死に連なるイメージがサブリミナル的に刷り込まれていく先に、彼は恋が生だけではなく死をも生み出す事を知る事になるが、同時に死の先に産まれた生に愛の言葉を伝える為の伝令者に再任させられる。責任と呪い、大人になる為の通過儀礼、なんかあれくらいの少年期って無駄にお互いに殴ったり蹴ったりするよね、なんなんだろうあれ…。てっきり筆下ろしされんのかと思ったらそこら辺は流石のロージーなのかもしれん。
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