Tラモーン

カンフー・パンダ2のTラモーンのレビュー・感想・評価

カンフー・パンダ2(2011年製作の映画)
3.8
先日息子が久しぶりに「パンダミル〜!」というので吹替で一緒に鑑賞…のとき家事のため途中離脱したので後から1人で字幕で再鑑賞です。


「龍の戦士」としてすっかりカンフーマスターに成長したパンダのポー(ジャック・ブラック)はマスター5とともに平和の谷を守っていた。そのころ、クジャクのシェン大老(ゲイリー・オールドマン)は火薬と金属で大砲を開発し、かつて両親らクジャク一族が治めていたゴンメン市の支配を目論んでいた。シェンの部下たちが金属を奪いに来たのを撃退した際にポーの過去の記憶が蘇り、自身の出生の秘密と育ての父との関係に思い悩む。いよいよ完成した大砲を武器にシェンは中国全土支配へ乗り出そうとしていた。ポーとマスター5はカンフーの威信に懸け、中国を守れるのか。


前作で心身ともに成長し、カンフーマスターとなったポーの出生の秘密と内なる成長を描いた2作目。ジャック・ブラックの吹替や、アニメ表現を活かしたギャグ要素は相変わらずの面白さそのままで、親子とは、過去とは、自分とは、というテーマに迫ったなかなか深みのある作品。その辺で製作総指揮にギレルモ・デル・トロが加わったのは大きいのかも。

よくよく考えなくても1作目の時点でパンダの父親がガチョウってとこからツッコミどころなんだけど、自分が拾われた孤児であることをどう受け入れるのか、自分の悲しい過去とどう向き合うのか。その答えは結構前半に出てきていて、シーフー老子(ダスティン・ホフマン)の言う"内なる平和"とあの最終奥義ってこと。でもそこにどうやって辿り着くのかってことだな。

"始まりは幸せじゃなくても、それで人生は決まらない。あとの方が大事だ。自分で人生を決めるんだ"

"それであんたは何者だい?"

"過去は忘れなよ。どうでもいいんだから"

ポーの母親が涙ながらにお別れするとこ泣いた〜!息子の幸せを願って、捨て子も同様のお別れをするなんてどんなに身の裂かれる思いだっただろう。何もわからないポーはどれだけ寂しかっただろう。

受け入れ、受け止めることこそが内なる平和。すべてを理解したポーの最終奥義は圧巻。
そして育ての父ピン(ジェームズ・ホン)との抱擁。

"父さんの息子だ"


もちろん前作同様カンフーアクションはめちゃくちゃカッコイイし、今回はシェン軍団のオオカミたちとの軍勢バトルや、火薬を使った武器を相手にするなど視覚的な迫力もアップ。悪役シェンの声がゲイリー・オールドマンってのも嫌らしさ全開でたまんない。ちなみに日本語キャストの藤原啓治も本当素敵な悪役だったなぁ…。

個人的にはクライマックスの運河でのバトルシーンで、師匠たちが駆け付けるシーンが最高にアガった。
マスター5の戦いっぷりは冒頭カッコよかっただけにもっと観たかったなぁ。

あの終わり方はズルいって!めちゃくちゃ気になる終わり方じゃん!近々息子と一緒に3作目を観ます🐼
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