東朴幕院

華麗なる週末の東朴幕院のレビュー・感想・評価

華麗なる週末(1969年製作の映画)
3.9
昔、マックイーンの追悼番組で荻昌弘氏解説の月曜ロードショーで観たのが初見。その時は、普通のコメディなのかと思っていた。
今回、改めて観たら全く印象が違った。
ウィリアム・フォークナーの短編小説『自動車泥棒』を映画化したもので、主人公は地主一族の一人息子ルーシアス、その一族から使用人として雇われているのがマックイーン扮するブーン。親戚の葬式で家族が4日間留守にすることを良い事に管理を任された自動車を使ってメンフィスにドライブ、その4日間の少年の成長を描く。
マックイーン映画としては異色であるものの、彼の少年への優しい眼差しや自動車の事になると夢中になってしまう若い男、どうにも憎めない。物語は終始、少年からの目線で語られ当時の黒人・娼婦への理不尽な扱いと、それを観て成長していく様がよく描かれている。こんなに佳作な作品だとは思っていなかった。道理で監督は、『シンデレラ・リバティー/かぎりなき愛』『黄昏』のマーク・ライデルだったのね。
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