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ツィゴイネルワイゼンのKのレビュー・感想・評価

ツィゴイネルワイゼン(1980年製作の映画)
3.7
サラサーテ「ツィゴイネルワイゼン」。聞き取れない言葉とは。盲目の旅芸人。真っ赤なカニ。白い腕。肝の口移し。ちぎりこんにゃく。黒い傘。何度か登場する手鏡。ライターの光。一定のリズムが鼓動のよう。指パッチン。眼球舐め。「腐りかけがいいのよ。何でも腐ってゆくときが一番旨いのさ」。食事シーンが多い。取り替えっこ。象徴的に登場する切通し。生の骨。アゴ掴み。豊子。水蜜桃。薄皮ペロリ。海岸チャンバラ。鬼は外、福は内。「鬼とすれ違いましたよ」。呼びかけ「まだやってるのか」。解剖。中砂蔵書。幼稚園。六文銭。舟。生者と死者。現実と幻想。この世とあの世を行きした気分になる作品だった。生々しい。
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