HOLYDAY

愛を読むひとのHOLYDAYのネタバレレビュー・内容・結末

愛を読むひと(2008年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

愛を読む人。


これは第二次世界大戦中から今へ紡ぐ物語。


出会いは親切から。


一回りも違う歳上の女性に恋をしてしまった少年と、孤独を抱えた女性。


お互いが惹かれ合う。


彼女は物語を読み聞かせて欲しいと頼む。


彼は物語を読み聞かせる。


お互いの寂しさを癒すように関係は続いていく。


しかし彼女はある日、何も言わず去る。


再会は数年後法廷で。


彼女はあの日以降、アウシュヴィッツで看守になっており、罪に問われていた。


証拠の報告書。


他の被告は全て彼女統括で記載も彼女だと言う。


彼女はそれを認めてしまう。


でも彼だけが知っている。


彼女は字を書けないし、読めない。


でもそれを知られたくない。


罪悪感と恥から彼女は罪を被ることを選ぶ。


ただ何も出来ず涙を流し、煙草を蒸かすことしか出来ない彼。



無期懲役の彼女に何も出来ずに終わってしまう。


そんな彼女に彼は物語を送る。


前のように読み聞かせをテープにして。


何十年の月日を彼は誰にも言えず、1人で彼女に捧げてきた。


身よりもなく孤独な彼女に物語を読む人として。


ただの1度も会うことなく。


限りある自分の時間と関心を捧げた。



"パパの心はいつもどこかへいってしまっている。"


彼の娘は自分のせいだと思う。


ごめんね。違うんだ。


パパはずっと物語を読んでいたんだ。


この物語は誰にも話していないんだ。


今からそのパパの物語を読んであげるから。


聞いて欲しいんだ。


これは愛を読む人の物語。
HOLYDAY

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