ニャンタ

愛を読むひとのニャンタのレビュー・感想・評価

愛を読むひと(2008年製作の映画)
4.2
第二次世界大戦後、『朗読』を通じて愛を育んだ15歳青年と、21歳年上の女性との”ひと夏の恋”🚲🇩🇪数年後…女性が裁判にかけられる事を知ると、『愛する人の過去の罪とどう向き合うべきか』で苦しむ悲恋の物語🤍📚
 “恋の輝きは色褪せる事は無い”と思わせる美しい場面がある分、後半ずっしり重い展開に悲しくなります☹️〰️

 “悲しい物語”を、敢えて観てしまう理由は、心の重心を低く保つ為、自分にとってバランス調整なのかも知れないです🤔🎈この映画、良かったです🎞

 ハンナ(Kate Winslet)は無表情で、動きも機械のように正確で、ミステリアスで美しい役でした👩🏻‍✈️
 時に、本の物語に激しく感情移入して泣きじゃくったり、声を上げて笑ったり、突然怒ったり…ハンナという女性の様々な面を観る為、彼女が隠す”秘密”を知る中盤まで、背景をしっかり想像しながら観ないと、付いていけなくなる作品とも思えます🔐
 
🎼曲Go Back to Your Friends
 青年マイケルに『もう友達の元に帰りなさい』
 と言うハンナが、その後、何も告げずに引っ越
 して、去ってしまう場面で流れる曲🎻
  朗読カセットテープを受け取り、再生すると
 当時の記憶を思い出す場面で流れる曲🎻

  管弦楽の旋律が静かに、押したり引いたりす
 る波のように、徐々に加速して鳴り、フルート
 がその流れに逆らい留まろうとゆったりと奏で
 る対旋律が素敵で、印象的でした🌊🔙

 ハンナには、事務の仕事ができませんでした。”秘密”を周囲に悟られないよう、転職をせざるを得なかったのでしょう…🚃
 何も告げずに去ってしまった理由の考察に
  『青年に本気になってしまったら、いつか若
   い女の子に浮気され、自分が傷つく時が来
   る、ハンナは、確かに愛していた』
   という仮説。
 私も正直そうあって欲しいと思いましたが…映像から、ハンナの表情に、それ程大きな葛藤があったようには、どうしても思えなかったです😥

 この映画は、語られない部分、例えば、本の”行間”あるいは”文脈”を、想像しながら浸る映画です📖

 マイケルが、刑務所にいるハンナに向けて、”朗読カセットテープ”を送る展開で、マイケルの気持ちは愛だと分かりましたが…ハンナの手紙に対して、一度も返事を出しませんでした🎙📼⇄✉️✍🏻
 彼女が犯した罪を許せないでいる…マイケルの想いは一方的で、ハンナとの交流を望んでいた訳では無かったのだ、と思います😣
 
 感動と切なさが最高潮に達する二人の再会…なのに…またすれ違ってしまう、余りにも複雑な心理です🤦🏼
 ハンナは、マイケルの中に、”昔と変わらない愛”を見いだそうと手を差し出しますが、そこには…もう愛はありませんでした🫳🏻🤍

 観終えた後、様々な場面を思い出して考え込んでしまう程、重厚な物語でした😭〰
ニャンタ

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