してちゃん

酔いどれ天使のしてちゃんのレビュー・感想・評価

酔いどれ天使(1948年製作の映画)
3.5
最初の診察シーンの一連がめちゃめちゃ良かった!

会話が良く、流れも心地よく、のっけから一気に引き込まれました。

志村喬演じる酒飲みの町医者 真田がとても良いキャラクター。俠気があって、短気で、愛嬌があって、と、とにかく人間が濃くて、当て書きか?というぐらい役がハマってる。

三船演じる若いヤクザ 松永のツンデレ具合も絶妙で好感。令和の今でも通用するツンデレ方程式の解がこの時代にすでに確立されていた!

出所したての岡田が爪弾くギター曲がとても良かった。ただ岡田自身のキャラは妙に軽く凄みに欠け、ヤクザらしからぬ雰囲気だが、当時の闇市ヤクザ、それがリアルなのかもしれん。

前半は会話もムードもかなり好みだったが、後半はちょっとバタバタしだして、無理に大衆受けを狙ったような展開に感じ、真田の出番も薄れていまひとつだった。

出だしで期待したあの感じで完走して欲しかったなあ。