しぇりー

プライドと偏見のしぇりーのレビュー・感想・評価

プライドと偏見(2005年製作の映画)
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18世紀のイギリスの貴族社会のお話で、階級差や女性の身分、扱いについても時代背景があり、当時の女性の最も大切なことは「結婚」という中で物語が進んでいく。

もちろん結婚=恋愛ではなく、当時の女性にとって結婚は生活であり、一族の命運がかかっており、女性自身の人生そのものと言っても過言ではないほど。
今でも男女の格差というものはなくなっていないが、女性としてはもちろん、性別に限らずこの時代の不自由さを考え、現代に生まれたことにほっとしてしまった。

そんな今の価値観とは違う「結婚」の中で、恋や愛が描かれている。主人公のエリザベスは、この時代の中でもちょっと異質な女性。知性があり、自分の意見をはっきり言う物怖じしない性格。おそらく「結婚」や「階級」に呆れており、そういったものの社会的な評価に囚われないという偏見のなさがあるが、逆に相手であるダーシーを「身分が高いから」「金持ちだから」という個人に対する偏見を持ち、誤解が生じてしまう。

エリザベスとダーシーがお互いのプライドと偏見を飛び越えて惹かれ合い、また、それらを擦り合わせて幸せを手にする姿がとても微笑ましかった。
「人は間違うもの」、その間違いに気づけたからこそ、ふたりは愛を手にすることができた。結果的にいわゆる玉の輿ではあるが、身分などではなく、その人自身の中身の部分で惹かれ合う恋愛を観ることができ、私自身はすごくどこかで心が揺さぶられるわけではなかったが、静かに楽しみ、穏やかな気持ちになることができた。

ふたりの感情が常に美しい背景、自然やアンティーク、陽の光などに包まれて表現されていたのが何よりもロマンティックで心地よかった。