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マッチ工場の少女のkitoのレビュー・感想・評価

マッチ工場の少女(1990年製作の映画)
3.7
「マッチ」や「少女」なタイトルだから、どうしても童話なイメージが浮かんでいたが、全然違っていて「氷の微笑」も真っ青な展開に。短尺もあって、後半はあれよあれよと進んでいく。

セリフが極端に少なく、劇中で歌手が歌ったり、ラジオから流れてくる歌謡曲のようなメロディに乗った演歌のような歌詞がヒロインの感情を代弁しているようだ。ヒロインが犯行におよぶシーンでは、初めラジオからはチャイコフスキーの悲愴が流れてくるのだが、今の気分はこれじゃないとばかりにヒロインがチャンネルを変えるシーンまである。

冒頭でヒロインが両親と食事をする際、無色のアルコールを飲み、質素なシチューを食べていた。ああ、やはりフィンランドはロシアに近い文化圏なんだなあと思った。飲んでいるのはきっとウォッカだろうと考えていたら、後半、重要なアイテムになっていてビックリ。高アルコールのウォッカなら混ざり物も気が付きにくいだろう。

三作目にしてカウリスマキ監督の”カルト的魅力”にすっかり囚われてしまったという自覚が...

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