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13人の命のkitoのレビュー・感想・評価

13人の命(2022年製作の映画)
4.3
”実話に基づく”系⁈が好きなのもあって、とても良かった。

2018年にタイで起きた洞窟遭難事故の救出劇。事故発生時のニュースには覚えがあるものの、詳細の記憶はすっかりなくなっていた。偶然タイのホラーを観たばかりだったのでタイ語や風習はすんなり入ってきた。

観終わってWikipediaを読むと事件についてかなり細かく追える。しかし、間違いなく前情報なしで観るのが大吉。終盤はまさに「事実は小説よりも奇なり」で、フィクションでは逆に考え付かなそうな驚きの展開になる。とにかく、全編、テンポが良く、2時間半という長尺を忘れてしまった。

ドキュメンタリーではなく、ちゃんと演出だと感じるのだけど、変にヒロイックな言動がなく、ふたりのキーマンがヴィゴ・モーテンセンとコリン・ファレルというビッグネームなのを忘れてしまう。

狭い洞窟の水中シーンが少し観ずらいのは確かだけど、エンタメ作品と違ってワンシーンで形勢が大逆転することはないので気にしなくて良い。タイ人俳優も皆、自然な演技だし、CGはほとんどなく、莫大な物量が投下されておりリアリティがある。

ロン・ハワード監督は作品賞、監督賞でオスカーを獲った「ビューティフル・マインド」が代表作だろう。しかし、個人的に最も好きなのはこれまた "実話に基づく" 系のトム・ハンクス「アポロ13」で、この監督、 ”13” との相性が良いんだなぁ、などとつい思ってしまった。
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