コミナミ

マッチ工場の少女のコミナミのレビュー・感想・評価

マッチ工場の少女(1990年製作の映画)
4.0
"労働者三部作"の三作目。
過去二作品と違って、救いがないしシリアスな結末で驚いた!

口数少ない少女イリスが静かに積み上げてきた怒りの数々。それらをなんとか支えてきたジェシカの1つを引き抜きタワーが崩壊するように、彼女の中の何かが一気に崩れ落ち迎える終盤の展開に痺れた。

作品の中のテレビで幾度と流れる天安門事件は、監督自身が抱く社会への怒りそのものなのかなぁ。

カウリスマキ作品の人物は基本的に口数少ないから、空間に流れるテンポや人物の動き・表情がより一層際立つ。だからこそ、映画を味わってる感覚が強くなるんだよなぁ…

序盤のマッチの製造シーンは時間をたっぷり使って丁寧に描かれていて見応えあると感じた!凄い芸術的だった!
コミナミ

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