安堵霊タラコフスキー

甘い生活の安堵霊タラコフスキーのレビュー・感想・評価

甘い生活(1959年製作の映画)
4.1
パパラッチの語源となったパパラッツォらがアニタ・エクバーグを追い回す様はまさに女の尻を追いかけ回すようで滑稽だったし、塔でマストロヤンニが結局彼女と頂上に着くのも象徴的で、あまりに有名なトレヴィの泉はアニタ・エクバーグがそれこそ美の女神の如く見えて、神秘的な演出も合わせて何度見てもうっとりさせられる

フェリーニらしい喧騒のシーンや退廃的なパーティーのシーンは相変わらずモノクロだけど出色の出来で、グレートビューティーって絶対意識してるよなと思わずにいられなかったけど、次作の最高傑作や似たようなテーマと描写をより洗練させたアントニオーニの作品と比べると自分にとって相対的に若干劣って見えてしまう

それでも名作であるという認識は揺るがないのは、上記の理由以外にも後のフェリーニ作品に通じるエッセンスや撮影行為の皮肉的要素等が内包されているためか