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コタンの口笛のhummingbirdのレビュー・感想・評価

コタンの口笛(1959年製作の映画)
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アイヌの姉弟を主人公にした物語で、色使いも柔らかく、さわやかに始まるけど、見た後はどーんと落ち込む。アイヌ差別を扱った社会派の内容であるのと、宝田明の手紙の言葉のように、無理矢理にも前向きになるしかないので、見て良かったとは思うけど。

アイヌに対する差別がこれほどとは知らなかった。自分が志村喬の立場だったら正しい判断ができたろうか、山茶花究の立場なら、と考えてしまう。「(差別するのは)民族なんか関係ない、人なんだ」などという言葉は自分にも突き付けられているようで重い。
兄弟仲が良いのと、親しくしている人がいるのが救いだった。
成瀬の作品には珍しく自然や素朴な家庭を描いているけど美しさを感じる。驚きのサスペンス?ホラー?場面も。

「没後50年 成瀬巳喜男の世界」
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