東朴幕院

狩人の夜の東朴幕院のレビュー・感想・評価

狩人の夜(1955年製作の映画)
4.2
癖強な名優チャールズ・ロートンが唯一監督したカルト的な評価を得たスリラー作品。
ロバート・ミッチャムの眠そうな目をしながら即ナイフをチラつかせる牧師然とした凶悪男が強い印象を残している。この分裂した様な人物像は現代における一つのヴィラン像を確立したと言って良いだろうね。右手と左手にそれぞれLove &
Hateなんてイカしているよね。そしてダンディで歌も声も良いという…。これは凄いと思った。
一方でストーリーは導入の父親の犯罪と息子に託すというどうしようも無い展開からスタート。導入としては締まらないなぁと思ったり。しかし水中の死体の髪の毛が漂う様が何とも美しい、それをボートの上から見える様のちょっとゾッとする様な視感がゾクゾクさせた。これが一番のシーンだったかと。
そして中盤からのストーリーの転調も当時は珍しかっただろうね。
最後の住民が暴徒化した後は、あの時代じゃリンチは免れなかっただろう。民衆の恐ろしさもちらっと表現するケレン味もグッドだ。
映画好きなら一度は見ておかなければならない影響度の高い作品だ。
東朴幕院

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