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ゴジラVSデストロイアのmoviefrogのレビュー・感想・評価

ゴジラVSデストロイア(1995年製作の映画)
3.9
これが最後の平成ゴジラ映画。
前作、前々作とパワーが落ちていたのが、ここにきて一気に最高潮へ。

1954年「ゴジラ」をしっかり踏襲した、ラストにふさわしい作品。これまでの安さを感じる画面設計から一変、色彩も画素も昭和東宝怪獣シリーズのそれに近づけている。冒頭から意識的に変えたことが分かる美しさ。音楽も伊福部昭。なぜ伊福部昭の音楽はこんなにゴジラ映画に不可欠なのだろう。申し訳ないけれど他の人ではダメ。

ゴジラはたった一匹の同族を探すために海を渡り、地上を歩き回る。一方、1954年のゴジラを倒すために使ったオキシジェン・デストロイヤーが40年後に環境破壊を引き起こし、デストロイアという怪物を作り出してしまう。ゴジラとデストロイアはどちらも人間が作り出した怪物。

デストロイア、最高。形態を刻々と変化させながら最終的には巨大化。途中、ちょっとこれは「エイリアン」のパク‥‥いや、オマージュだなと苦笑する場面もありつつ、ワラワラと大量発生から集合合体を繰り返すのは今までにないアイディアで、歴代の怪獣の中で恐ろしさ最凶。

この映画が作られた時にはフィクションであった炉心溶融を、日本は現在経験してしまったわけで、だからこそ公開時よりも今の方が、この映画は恐ろしく、悲しい。

ラストのゴジラの姿は最高に美しい。
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