芸術のためなら法を侵すことを一切厭わないこの作品の主人公。子供向けアニメだから細かいことは言わなくてもいいじゃないかという考え方もあるだろうけれど、子供が観るアニメだからこそ、ごく基本的な、最低限のモラルはあって欲しいと思う。
前作「Sing」から、主人公は全く成長していない。前作でクリエーターとして成功したにも関わらず、新作舞台を手がけるにあたって駆使するのは相変わらずの場当たり的な詐欺行為だ。
大言壮語でパトロンを騙し、ファンでもないレジェンドスターの著作権使用許諾を取る前から、その楽曲を中心に据えてショーを構成。面倒な交渉は秘書に丸投げ。
共感、できない。心がなさすぎる。
あと、これだけの規模のステージ、こんな短期間に、ロクな稽古もなしに作れることはない。絶対にない。アニメを作る人々はそういう産みの苦しみをよく知っているはずなのに、なぜこの重要な部分を雑に簡略化するのか本当に疑問だ。
楽曲や映像は美しいだけに、空虚さがより強調されてしまい、前作が好きだっただけに残念です。
