タカシサトウ

ゼロの焦点のタカシサトウのネタバレレビュー・内容・結末

ゼロの焦点(1961年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

 なかなか面白かった。

 結婚したばかりの禎子(久我美子)が、夫である憲一(南原宏治)が急に失踪し、探し回っていくうちに明らかになってくることとは…、という話。

 失踪は多分、夫のそういう問題によるものだろうかと思ったが、もうちょっと込み合ってることは予想しなかった。また、社長夫人の佐知子(高千穂ひづる)が絡んでいることや、禎子が突き止めたこととはまた違うことが明らかになることも、面白かった。

 事件の要の場所は、能登金剛・ヤセの断崖という所だけれども、なかなか凄い迫力。そして、北陸の海は本当に暗くてどんよりして、底知れぬものがあるように思った。私自身、2年間北陸で暮らしていたが、まさにそういう海だった。この北陸の海が第二の主人公とも言えるのではないかと思った。

 禎子の久我美子の美しさには惚れ惚れするし、有馬稲子もなかなか良かった。

 この後に観た、犬童一心監督・広末涼子主演版が、私としてはボロボロで目も当てられない位だった、野村・久我版を先に観たからかもしれないけれど。

 同じ松本清張原作、野村芳太郎監督の「砂の器」は本当に良かったが、この「ゼロの焦点」もなかなか面白かった(2023.4.16)。