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YOYOCHU SEXと代々木忠の世界のyaaaのレビュー・感想・評価

YOYOCHU SEXと代々木忠の世界(2010年製作の映画)
4.0
AV監督代々木忠さんを「ヨヨチュウ」と呼ぶことも知らなかったし、ダラダラ絡みまで長そうなAVだなぁの食わず嫌いでほとんど彼の作品は観たことがなかった。
ちょっとエロ目線で観てみるが、そんなことが吹き飛んでいくぐらい、男女の本能の悦びをいかに表現するかに邁進した表現者の話だったのが凄く面白かった。
監督のAVまでの道のりが強烈で、若松孝二監督よりガチのバイオレンスヤクザで、足を洗って花屋で華道の師匠級までなり、またヤクザに袋叩きにあい、愛人三人連れて逃げるように上京。たまたまポルノ映画製作者に出会い、日活ロマンポルノの下請け作品を撮るようになる。
順風満帆な時、お色気コメディ撮ってただけなのに猥褻なもの作りやがってと「日活ロマンポルノ裁判」に巻き込まれる。
この時、監督でなくて製作担当(現場のプロデューサー)なのに闇金漫画の原作みたいに仲間に裏切られて一人裁判に差し出される感じで訴えられる。人間の業が強烈すぎる。
表現の自由を勝ち取る為の裁判なのかなと思ってたら、ピンク映画界の闇の部分が炙り出されて… 
こんなことがあったとは知らなかった。
無罪を勝ち取った後はVHSを売りたいパナソニックの思惑と合致して、促販商売としてのAVがヒットする…と、もう波乱万丈すぎます。

時代と併合せず俺ジナルな表現でその後は突き進むのだが、現代の性加害の中心部にいそうな所なのだが、その真逆で出演者に寄り添う感じに妙にやさしさもにじませる。
ここらへんは10年時代の先をいってらしゃる印象。
本作鑑賞後、やっぱり撮ってきたAV作品みたいなと思うわけだが、なかなか総集編的にしかないのが残念。
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