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黒猫の0000のレビュー・感想・評価

黒猫(1934年製作の映画)
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何もかもいびつで不自然でぎこちなくて、雑で大仰で、編集も変だし、音楽(既存クラシック曲)ずっとでかい音で鳴ってるし、はっきり言ってめちゃくちゃで、ヘタウマに近いような何かだけどやけに手数は多く次に何が来るかわからない、そして商業作品としてのまたスタジオ作品としての体裁にちんまりと収まってもいる、これぞ映画、これぞウルマー。

ポーの原作をかなり自由に翻案してて、黒猫の存在や地下で塗り込められた(?)女や警察が訪ねてくるシーンなど、要素も残ってるのだけど、だんだんポー的本質からは外れていく。
フィクションの荒唐無稽さに対する自己言及的なジョーク台詞をオチに配してるのも人を食った感じですごい。

一貫して真横から撮り続ける螺旋階段を反復するスタイリッシュさなどは清順あたりにも通じる。

たぶん『ロッキーホラーショー』の一番大きな元ネタのひとつ(もうひとつはポールモリセイ『悪魔のはらわた』)。
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