明石です

ビッグ・バグズ・パニックの明石ですのレビュー・感想・評価

ビッグ・バグズ・パニック(2009年製作の映画)
3.6
突如として街に響いた謎の咆哮により全住民が失神。巨大な蜘蛛らしき生物が跋扈し、人間たちを糸でぐるぐる巻きにし繭に閉じ込められてしまう!たまたま一番最初に目を覚ました主人公が、街の人たちを引き連れて巨大蜘蛛を退治し世界を救うお話。お馬鹿な映画だなあ、と思いながらも例によって楽しみながら観た。

引きこもりで異性にモテた経験はなく、モンスターに襲われたちょうどその日にリストラを受けるなど、現実世界ではうだつの上がらない主人公が、人類の終末に際してちょっぴり英雄的な人物に成り上がるの、すんごいショーン·オブ·ザ·デッドっぽい笑。設定的にもSFホラー×コメディだし意識してないはずはない。本編観る前にあらすじとかを見ない派としては、ほんのりシリアスそうなジャケットから、『ミミック』とかああいう系のちゃんとしたSFホラーだと思ってたら、U-NEXTのサムネイル画面の時点でお察しした笑。

主人公とヒロインの熱々具合に謎の横恋慕をし唐突に脱ぎ始めるスタイル抜群のブロンド美女に、安っぽさ全開のCG。巨大蜘蛛は目が見えない(=音で敵の居場所を察知する)という設定なのに、人間たちを繭に閉じ込めて街中に放置してどうすんのとツッコさまずにはいられないユルユルな設定。肝心のモンスターの襲来をCGに頼りすぎて明らか俳優の演技が緊張感を欠いている等々、すべてが愛すべきお馬鹿B級映画でした。

ただ一点大真面目にレビューすると、こういう隅から隅までB級な映画は、真剣にやった方が面白いと思う。変にコメディに走ってウケを狙ったりせず、主人公たちが大真面目に危機に対処していく方が、設定のお馬鹿さとのコントラストで面白く見える。タイトルは忘れたけど、豪華客船を舞台にボンドガール風の美女と組んでクラーケンと闘うSFホラー(良作なのにタイトル思い出せぬ)が良い例かと。そう考えるとB級って強いね。大真面目にやるほどに面白い。もちろん程よくふざけるのは良いと思うけど、ふざけすぎると(設定がお馬鹿なだけに)お腹いっぱいになっちゃう。

ラスト付近には見せ場が多く、巨大虫の巣に攻め入ってヒロインを救いにいくあたりの展開は目が離せなかった。登場人物同士のドラマが意外にも濃くて良い。主人公のお父さんが実質的な主人公になってヒロインを救うって、ちょっと他にないストーリーだしね笑。
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