ユースケ

血を吸う薔薇のユースケのネタバレレビュー・内容・結末

血を吸う薔薇(1974年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

前作、前々作に続き、二見忠男は続投したものの高品格が登録抹消。失われた顔面力を補充するために田中邦衛と伊藤雄之助を投入。凄まじい顔面力を放つ三人だったが、結局、我らが岸田森の顔面力に敵うものなどいなかった…振り向いたら岸田森と扉を開けたら岸田森は本当に怖いのでやめて下さい。

「日本にもドラキュラを」をコンセプトに東宝が作り出した【血を吸う】3部作の第3作目である本作は、前作同様、岸田森が和製ドラキュラを怪演したものの、前作、前々作にオマージュを捧げすぎて新鮮味に欠けるシリーズ完結編。
画面外から鳥やネズミが出現する演出は前作でもありましたが、泣き声の代わりに歌声に引き寄せられ、小林夕岐子の代わりに桂木美加に驚いている隙に後頭部を殴られて気絶する黒沢年男(その直後、吸血鬼の存在を早々に明かしてしまう桂木美加の死体を動かす演出は最低)、桂木美加の代わりに無意味な飛び降り自殺する荒牧啓子、そして、高品格の代わりに唐突に落雷を食らう佐々木勝彦の演出はあまりにもそのまんま。
南風洋子の首の傷を活かしたと思われる人間の顔の皮を被って生き続ける吸血鬼の設定が秀逸だっただけに残念でした。

みどころは、岸田森と田中邦衛の肉弾戦から溢れ出す顔面力とおっぱいを見せるために胸のあたりに噛みつくサービス精神。阿川泰子のおっぱいは良かったけれど、東丘いずひのおっぱいはガッカリだったな。

シリーズを通して余韻を残すキレのあるラストと特殊メイクの効いた岸田森の死にっぷりは素晴らしかったのですが、シリーズを通してバトルシーンが単なる肉弾戦で吸血鬼の強さが伝わらなかったのが勿体ないと思いました。