垂直落下式サミング

ターミネーター4の垂直落下式サミングのレビュー・感想・評価

ターミネーター4(2009年製作の映画)
3.9
人類は、「審判の日」を避けれなかったっていう前提からはじまるのが、メチャメチャ不幸で悲惨ですさまじい。人間と機械の戦争が始まってしまった世界のハナシなもんですから、未来は暗黒で血と硝煙と放射性物質に満ちた灰色の世界。
人間の抵抗軍は、人員もそこそこいるし、乗り物や兵器もたくさん持ってる。今のところ地球上は、そこまで機械の支配がすすんでいるわけでもないらしい。戦局は、ちょうど瀬戸際って感じなのかな。ここで、完全に人間を模したシュワちゃんが完成してしまうと、潜入スパイされてヤバイってことか…。
機械軍の目論み、ジョンの選択、実験台になった死刑囚のエピソード、三つのストーリーラインが実は重なってくるんだけど、これがもう少しスムーズに並走してくれるとよかった。
特に、メインプロットのジョン・コナーのストーリーはとてもいい。自分の父親をタイムスリップさせるとき、彼はどういう心境だったんだろう?ヒューマンドラマとして、そこに踏み込んだところを評価したい。
自分は、自分の意思でもって他人に行動を強要しなければ、この時間軸において存在し得ない生命体だったとして、その運命を自分自身の手で選択できるか?
司令官ジョン・コナーは、青年カイル・リースに残酷な運命を与えることで、この世に生を受けることができる。つまり、彼は自分の誕生に自己決定権を持っている人物なわけで、そういった十字架を背負った人間が、自分自身の存在を確固とするために、なにも知らない若者の人生を奪うことはできるのか。或いは、それは正しい選択なのか。
3のラストからストーリーの時系列を進めるのであれば、そこに踏み込まなければならないのだろうけど、ホントにバカ正直に取り組もうとしてたなんて…。
オハナシを先に進めてんのがエライ。これの後のジェニシスもニューフェイトも、ジャッジメントデーを回避できるのできないのって、一作目からのストーリーラインを踏襲しているのが気にくわない。再起動とかいうくせにシュワとかリンダとかに頼っちゃってんだから。
今回のぽんこつかわいい枠は、オートバイ型の追跡ターミネーター。2台で追ってきたのに、わりとすぐスリップして転んで退場。
まさか、こいつ自立行動での運用を前提しておきながら、転んだら自力で起き上がれないのか?欠陥構造オブザイヤーじゃん。しかも、敵におびき寄せられてワイヤーの罠に気づかずやられるアホアホマシン。補助輪つけろ、ぼんくら!