いはん

ニューオーリンズ・トライアルのいはんのレビュー・感想・評価

3.9
これは、中々の名作。
夢物語ではあるし、“まともな”手段でもないが、希望を持たせてくれる映画なのではないだろうか。と言ってみるものの、そもそも銃社会に生きた経験の無い私には到底その切迫も、恐怖も、必要性も分からない。

銃の所持は、抑止力的役割を果たすべきなのに、それが根幹から崩れているのがアメリカ銃社会な気がする。あ、でも自らの力で開拓するという刻み込まれたDNAも銃所持禁止にいつまでも至らない理由なのだろうか。一度手にした成功や力を進んで手放せるほど、皆が皆“文明人”では無いでしょうね(ちょっと大人気ない言い方ですね、すみません)。また、すでに形成された利益サイクルに絡む人々も決して銃の禁止を認めないだろう。いかなる手段を使っても。でも、現実の厳しさを見つめるのと、諦めるのはまた別の話である。実現したい社会があるならば、夢を見ることをやめてはいけない。理想主義と現実主義に良し悪しがないように、現実の厳しさを脳と心に刻み込みながらも、夢を見続けましょう。

私たちの社会は、解決の目処が立たない問題ばかりなのだ。誰かが絶えず犠牲になるが、それでも現状維持の方がマシだったりすることもある。でも、それでも努力を止めちゃ駄目だよ。自分でも反吐が出そうな綺麗事ではあるが、本音でもある。
いはん

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