いはん

ノッキン・オン・ヘブンズ・ドアのいはんのレビュー・感想・評価

4.3
“天国じゃ、みんな海の話をするんだぜ”

いい映画を作りやがったな!!
余命少ない二人が海を見に行く、それだけの話。それだけの話が、観る人の心を揺さぶる。悲しくならないように、ブラックユーモアがたくさん込まれているかと思ったけど、きっと全部最後のシーンへの布石だったのだ。二人が酒を持って荒れ狂う海に向かうシーンも、倒れゆくマーチンを見守るシーンも、その一瞬一瞬が全部心に刻まれる。海は美しかったのだろうか、海は天国へと繋がって居たのだろうか、天国の扉を叩けたのたろうか。

この映画、本当に全てが素敵だった。
何度も銃撃戦が起きてるのに誰一人しない所も、みながお金をもらって笑顔になる所も、お母さんにキャデラックをあげる所も、女の人二人と”天国”への階段を登ってくところも、全部が素敵だった。悲しいお話なのに、口角が思いがけずに吊り上がったまま。エンディングに入り、一気に涙が追いついてくるのも含めて、すばらしい鑑賞体験だった。

もし、もしも自分の寿命を知って、まだ時間が残ってるならば、私も海に出たい。
いはん

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