小津映画二作品め。尾道に住む老夫婦が、東京に住む息子家族・娘家族に会うために上京するのだが…。
家族、戦後の日本、死。淡々と描かれているそれらを見て、わたしたちは色々なことに大袈裟すぎるし、なにもそんなに大騒ぎするこたぁないじゃないの、と思いました。
事実を受け入れ、前に進み、しんとした静かな気持ちになったり、笑ったりする。美しい人生。
それにしても昔の68歳は見るからにものすごくおばあちゃんだねぇ、うちの母親とあのおばあちゃんが同い年だなんてとても信じられません。
東京物語が世界的に評価された時期があったようで、そのことを知ってると、「ああ、はいはい(ちょっと悪い意味)」と思うようですが、わたしのように何の予備知識も入れないで観ると、ただ素直に身にしみる、素敵な映画でした。喪服を持ってくの持ってかないのというシーンでは悲しくもあり、クスリと笑ってしまったり。
笠智衆はすごい！
