Tai

東京物語のTaiのレビュー・感想・評価

東京物語(1953年製作の映画)
4.5
移りゆく戦後日本の家族のかたち。

Netflixに小津安二郎監督作ある!じゃ、観なきゃ!ということで鑑賞です( ´∀`)b

邦画史で代表される監督のお一人ですよね。
同監督作は『麦秋』をスクリーンで鑑賞しました。
本作はその2年後に公開された作品。
何が驚きかって、前作では母とその長男を演じていたお二人が、本作では夫婦を演じているという。
しかも違和感ないという。何度もキャストの確認しちゃいました。笑
笠智衆さんの演じる幅がヤバすぎる‼︎

物語は老夫婦が、それぞれ家を出て自立した子供達に久しぶりに会おうと広島から東京まで行くというもの。
何がすごいってそれだけなんですよね(後半は色々ありますが)
同監督作は日本家屋の撮り方はもちろん、この時代の日本人に身近な生活を切りとって作品とするのがとにかく凄い!
エネルギーに満ち満ちた黒澤明監督作とは真逆な位置にいて、心情を考えさせられるまさに巨匠による映画なんです。

戦後から復興した日本が舞台ということで、まさに核家族が増えはじめた頃の家族というものがセンセーショナルに切り取られています。
この頃から日本では人と人との心の距離が、どんどん変化していったのだなと実感させられます。
両親が数日間遊びに来たことに対しての子どもたちの愚痴が赤裸々すぎて胸が痛くなりますね。

そんな中での原節子さん演じる紀子!まじ良い子!
家族の中では微妙なポジションに立つ彼女ですが、これがちゃんと説明されるのって結構後なのに、登場シーンから家族との距離感が気になってました。
この登場シーン=人物設定説明ではないのに何となく伝えてくる技法は凄く好みです(*´꒳`*)


次は『秋刀魚の味』だー٩( 'ω' )و
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