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リトル・ロマンスのtakのレビュー・感想・評価

リトル・ロマンス(1979年製作の映画)
4.0
70年代末期から80年代初めを少しでも知る方ならご存じと思う。本編に全く関係のないイメージソングなる曲が、映画宣伝やエンドロールに付けられることがよくあった。今でも日本独自に主題歌がつけられて、外国映画ファンから不評だったりするけれど、当時のイメージソングたちはそれらとは違って本編で流れないものもある。僕ら世代が最も印象深いのは「ナイル殺人事件」。そのメロディは本編のニーノ・ロータ以上に(日本では)有名。強烈なインパクトで本編の音楽を食ってしまったものも多い。

われらがダイアン・レイン主演作「リトル・ロマンス」の宣伝にも、そうしたイメージソングが使われた。日本のグループ、パオが歌う Sunset Kiss なる曲である。哀愁漂うメロディは当時の僕らに強く印象づけられたものだった。本編はジョルジュ・ドリュリューのスコアとビバルディなどクラシックが使われている。これも素晴らしくって、アカデミー音楽賞を獲得している。しかし、日本ではCMで大量オンエアされていたから、Sunset Kissの方が焼き付いている人、きっと多いと思うのだ。

ベネチアの”ためいき橋”の下で夕闇の中キスをした恋人は永遠に結ばれる、というデマカセを信じた映画少年テロニウスと高IQ少女ダイアンが、ベネチアへ恋の逃避行。今にして思うとなんとも初々しい初恋映画。映画デビューだったダイアン・レインの可憐さにとにかく夢中になった。

監督はジョ-ジ・ロイ・ヒル。映画少年テロニウスが映画館で、ヒル監督の「明日に向かって撃て!」や「スティング」を観る場面が出てくる。「スティング」を観た後、映画館を出た彼は「ビンゴ!」と叫ぶ。いやー、「スティング」観た映画ファンならすっごく共感できる場面😆。「リトル・ロマンス」を観てしばらくは、友達との間で「ビンゴ!」が流行したっけ。

鑑賞記録は初回を記す。
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