西東京

河の西東京のレビュー・感想・評価

(1997年製作の映画)
4.7
崩壊と修復(の努力)。リー・カンションの首の痛みという身体的な共感性によって映画を観ている観客の知覚にも歪みと痛みを伝播させ、そのフィルターがグロテスクな物語に寄与している。ハッテン場に通う父の部屋から溢れた水は時すでに遅い諦念のような表情で座る母の足元を流れ、台北の河に流れていく。
人間関係の拒絶(扉の開閉)がひたすら続き、最終的に最悪の形で父に受容されるのはかなりブラック。明確な悪意があって、お得意の長回しもジジイの小便の長さで強調される。

バイクの遅い衝突は笑った。幽霊屋敷みたいな長い廊下と手コキの神聖な照明も好き。あと『青春神話』と同じ家なのがテンション上がった。
西東京

西東京