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ルイーサのmiのレビュー・感想・評価

ルイーサ(2008年製作の映画)
4.1
定年を間近に控えたルイーサ。
夫と娘を亡くし、人との関わりも嫌い、唯一心許すのは
飼っている猫だけ。
勤め先を2つ掛け持ちし、その規律正しい生活からは、
何の面白みも感じられない。
そんな時、とんでもない出来事が一日にして立て続けに起きる。

アルゼンチンの経済状況について、詳しくは無いが
日本に置き換えてみることは出来る。
だから、【とんでもない】出来事を、さらりと面白おかしく
描いているのだが、どうしても笑い飛ばす事ができない。

とはいえ、端々でふっと笑わせてくれるシュールさもあり
それをルイーサ演じるアルゼンチンの国民的舞台女優、
レオノール・マンソがそれはそれは見事に演じている。
堅物ルイーサの表情をクルクルと変え、感情移入させてしまう演技力は圧巻だ。

彼女の取り巻く環境、その中に生きる人たち。
関わりを持たずに生きてきたルイーサが、一つのトラブルを
きっかけに、【人は一人では生きてゆけぬ】事を教えて貰う。

喪失から学び、立ち上がる時、人は変わる。
光を感じさせてくれる作品。
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