さすらいの用心棒

幻の光のさすらいの用心棒のレビュー・感想・評価

幻の光(1995年製作の映画)
3.6
原因不明の自殺で夫(浅野忠信)を失った妻(江角マキコ)の日々の営みを描いた映画監督・是枝裕和のデビュー作。

デビュー作にはその作家のすべてが詰まっている、という言葉をそのまま表したような作品。
子どもの撮り方、ドキュメンタリー手法、「家族」というテーマ。デビュー作は原作なしのオリジナル作品で挑みたかったとのちに是枝氏は語るが、充分に自身の素養を示していると思う。ちなみに、原作者の宮本輝氏は原作料をたった1000円で譲ったのだそう。
実相寺昭雄監督のカメラマンで知られる中堀正夫氏が本作でヴェネチア国際映画祭撮影賞を受賞しており、画の美しさという点では未だに本作を超えた作品を撮れていないと思う。