母の死の報せを受け、イスタンブールから故郷の村に久しぶりに帰った主人公は、母を世話していたという親戚の女の子と出会う。二人は、母の遺言に従い、一緒に羊を生贄にしようとする。
親戚の女の子が凄く綺麗なのだが、お互いに全くと言っていいほど覚えてないから、実は赤の他人なのかもしれないっていうのがちょっと不気味で面白かった。
アンゲロプロスともキアロスタミとも似てる長回しが印象深い画面ではあるが、意外とこちらの方がテンポが良い。
主人公が森の中で唐突にウズラの卵を割ったり、絨毯を作るおっさんを見て突然気絶したり、暗闇の中で犬が現れたり、合間合間のシークェンスがなかなかシュール。卵の意図するところもかなり示唆的だ。
しかし、こちらが認知する前に各場面が終わって全く無関係な場面に変わるため、ちょっとよくわからなかった。
この後にカプランオールが撮ったミルク、蜂蜜は、それぞれこの主人公の青年期と少年期に遡るつくりらしい。キアロスタミのコケール三部作同様、ちゃんと全部見たら色々繋がるのかもしれない。