喧嘩の美点は仲直りができること

カルメンという名の女の喧嘩の美点は仲直りができることのレビュー・感想・評価

カルメンという名の女(1983年製作の映画)
3.0
難しかったです。コミカルな調子で独特な演出が多い映画でした。
整合性の取れてないように観えるシーン(強盗時の銀行内の客等)が多々あります。強引な解釈になりますが心情の現れと客体の事象をキュビズム的に同居させた結果、そのように観えるのかと思いました。
劇伴の重なりも独特でした。弦楽の音色に生活音が重なるシーンは意外にも調和が取れていました。
フランス文学らしさのある比喩的な台詞が多く、どこか詩的だが雲を掴むような印象を受けました。
「なんだかよくわからない」というのが正直な感想ですが、特異なカット・サウンドとアートフィルムな美しさが面白い映画でした。