本日の一本。
あの頃の俺たちにはもう戻れない、そんなモノローグそのものは青春の1ページって感じだが、そこにベトナム戦争とロシアンルーレットが追加されると地獄の出来上がりだ。それ以前にアメリカの攻撃ヘリによる空爆からの恐らくアメリカに協力したと思われる村を焼き払うベトコン、そして防空壕に避難している女子供にポイッとグレネードを放り投げるあの瞬間が一番ビビッとくる。沖縄戦の火炎放射とは違う、ヤバさが凝縮されている。
主人公マイケルのヒーロー振りが目立つが、これはストーリーを回すための狂言回し的役割があって、ホントに描きたいものは、手足の吹っ飛んだスティーブンとかメンタルがトンでしまったニックなのだろう。
ドンパチせんでも戦争の後になにが残るのか、そんな彼らの行く末を見つめる逸品。しかしあの猟をする仲間たちはなんでまたあんなに人に銃を振り回せるのか。しかも実弾入りのヤツを。彼らはベトナムへは行っていないのに。ここがアメリカの一番やばいところでしょう。