ホシ

魔女の宅急便のホシのレビュー・感想・評価

魔女の宅急便(1989年製作の映画)
4.0
何回も見てるけどレビューしたことなかったので改めて鑑賞

最初蜂がきても気にしないのでのどかな人柄わかる、さりげない掴みが秒速すぎる

キキの子供からの成長がテーマだから、昔は何も思わなかったのに今見ると子供だなあと思って見てしまう、子供の「見えてなさ」を突きつけてくる

何回も見たことあるからか少し序盤は退屈に感じたけど、パイ作りからのこのパイ嫌いなのよねあたりで惹き込まれる、やっぱあそこは大きいな、子供の頃の印象もあそこか一番インパクトあった気がする

あの「現実」を突きつけてくるのが、キキの成長につながる

トンボと仲良くなったのにその友達が出てきて不機嫌になったり、自分がトンボの立場だったらけっこう嫌だけど気持ちはわかるし、人間のあるあるという気持ちを汲み取るのが上手い

テーマが成長、子供からの脱却、だと思うので、子供らしい感情はどれだけ詰め込んでも矛盾しないのかな、色んな感情を詰め込んでるけど一貫性のある話になってるから、やっぱり監督バケモンだなと(ものすごく苦しんでるかもしれませんが)
映画作りって尺が長いから変なもの足してしまいそうで難しそうだなと思った

あと絵描きの子とのシーンも、魔法が使えなくなるとか、描けなくなるとか、大人で経験した人のが刺さるなと
すごくいいセリフで多分成長途中で絶対に過去の自分から離れる時にみんな苦しむから、あのシーンは定期的に思い出したいレベル
「成長するということ」に苦しむ人が勇気が持てる

話は大体覚えてたけど、おばあさんがキキという人にケーキ届けてってところ、すっかり忘れてて粋で泣けた

あと細かいけど飛行船の事故ではしゃく家政婦おばあさんがリアル、心配よりああいうのでわくわくしてる人間の描写、やはり人間を描くのが上手い

最後は魔法使いのキキにしか助けられない方法で、「成長」して空を飛んでトンボを助ける、綺麗な終わり方

好みはあれど万人受けするテーマだし、みんなの心にジーンとする作品だと思う、やっぱ監督すごいな
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