ゴン吉

アメリカン・ギャングスターのゴン吉のレビュー・感想・評価

4.0
麻薬密売ルートの摘発に挑んだ捜査官の活躍を描いた事実に基づくポリスドラマ。
リドリー・スコットが監督を務め、デンゼル・ワシントンとラッセル・クロウらが共演。 

ベトナム戦争最中の1968年。それまで貧民街のハーレムは大物ギャングのバンピ―が仕切っていたが、彼は庶民を気遣う一方で敵からは冷酷無比と恐れられていた。ハーレムの人々からは”ロビンフッド”として慕われ、彼のおかげで庶民は安全に暮らすことができたが、彼が他界すると治安は悪化して無法地帯となった。
バンピーの亡きあと、彼の運転手をしていたフランク(デンゼル・ワシントン)が、東南アジアから純度100%のヘロインを直接買い付け、空軍機を利用して密輸して安く売りさばき、勢力を伸ばしていった。
一方、警察官のリッチー・ロバーツ(ラッセル・クロウ)は組織胴元の車のトランクから98万7000ドルが入ったトランクケースを押収する。彼は警察署でみんなの前で金を数え、着服することなく証拠物件として届け出る。当時、ニューヨークでは警察が押収したヤクをデカが着服して売りさばき、警官が麻薬市場を握っていた時代。正直なリッチーは警察でのけ者にされていた。
そんな真面目なリッチーが特別麻薬捜査局に抜擢される.....  

当時はギャングよりも役人の方が悪事を働いていた時代。
治安を守っていたのはギャングで、市中にヤクを流通させていたのは警察というのが滑稽です。
ベトナムのアメリカ兵の1/3がアヘンかヘロインの経験があり、アメリカ空軍がヤクを密輸入し、移民許可局INS、国税庁IRS、FBI、判事、弁護士、政治家、看守、保護観察官なども裏社会と通じていた。
リッチーの活躍により、有罪になった麻薬捜査局の捜査官は実に全体の3/4にものぼり、表に出ないものも含めると真相は計り知れない。
このヤクと賄賂と汚職でまみれた警官の実態が事実というのが驚きである。 

2023.9 BS12で鑑賞(土曜洋画劇場・字幕)
ゴン吉

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