りっく

夕陽のガンマンのりっくのレビュー・感想・評価

夕陽のガンマン(1965年製作の映画)
3.8
イーストウッドとリー・ヴァン・クリーフによる、互いの帽子の撃ち合い。敵対しているかと思えば、次のショットでは意気投合しているように見える。だが、そんな展開にも思わず納得してしまう。幾度となく繰り広げられる、一対一の決闘。その映画的な見せ場によって、全てに説得力を持たせてしまう。

執拗なほど反復される細かいカットがいい。互いを睨みつける男たちの顔。銃弾によって空を舞い続ける帽子。見事な緩急の使い分けによって、観客を飽きさせない「うねり」を生じさせる。

本作は敵側が「漁夫の利」に失敗する物語だ。そういう意味では『荒野の用心棒』とは真逆なのかもしれない。照れ臭がる一匹狼同士の絆も忘れ難い。
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