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私の20世紀のogierのレビュー・感想・評価

私の20世紀(1989年製作の映画)
4.2
静かな聖夜、雪の積もるブダペスト、双子の少女は白い息を吐き頬と鼻先を赤ながら生きるのに必死だった
時代の変わり目、夢の二十世紀へ
エジソンが電気を発明するとたちまち夢は現実となり魔法は科学へと変貌を遂げる
進化する芸術、魅了される神秘、人々はまもなくやってくる近未来を謳い想像をも超える科学主義の絶大さに歓喜する
男性至上主義の嫌悪、ニコラテスラの狂気、革命前夜の緊張
緊張がはじけ飛ぶ時計の針が十二時を指す頃オリエント号には二人の全く違う人生を辿る美しい女性が
今までの経験を糧に己の哲学を胸に時代と運に翻弄された人生の行先は
星たちは謳いマッチの火は踊り電球は熱を生む。光は有機的な運動の産物なのだから
私たちは圧倒的な芸術作品の前でただ感動する事しかできないのだ
人間は一人ではあまりにもちっぽけすぎるから
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