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リトアニアへの旅の追憶のsonozyのレビュー・感想・評価

リトアニアへの旅の追憶(1972年製作の映画)
4.5
アメリカを代表するインディペンデント映像作家、オーガナイザーとして世界のアーティストに多大な影響を与えたジョナス・メカス監督の代表作という事でこの監督作、初見です。

1949年、故郷リトアニアからナチスに追われアメリカに亡命したジョナス・メカス。
言葉も通じないブルックリンでボレックス製16mmカメラを手に日々の生活を日記のように撮り始めた頃や、27年ぶりに訪れた故郷リトアニアで母、親類、友人たちとの再会の情景・・・

まさにホームビデオを覗いているような、16mm(映画版は35mmブローアップ版)の画角。
手ブレ、荒いズーム、不安定なピントや露出、反復、細かく出てくる数字(エピソード番号)、たどたどしいメカスの語り。

スチュワーデスの脚が気になったという微笑ましいシーン。
故郷の畑だった大地で古い農具で遊ぶ男たち、外で料理をするのが好きなお母さんが焼くポテトパンケーキ。。

メカスの心象風景が、自分の過去の心象風景と重なり溶けていくような、不思議な読後感でした。
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