いぐあな

秋刀魚の味のいぐあなのレビュー・感想・評価

秋刀魚の味(1962年製作の映画)
4.1
妻を亡くした老いた父と年頃の娘の父子の絆。

働き盛りの女性陣がみな聡明で美しい。
中でも岩下志麻がずば抜けて、輝きを放っている。強く美しく、妖艶。

おっさんがガヤガヤと同窓会を開き、机にはだるまウイスキー。
先生がいなくなったら悪態つくのはどの世代も同じ。
酔っ払ってくだをまくお父さんを横目に涙する杉村春子。
老いた恩師のしょぼくれた姿を見て、哀しい顔をする笠智衆。
亡き妻によく似た岸田今日子の店で、高らかに明るく流れる軍艦マーチ。
哀愁を描くのがなぜこんなに上手いのか。

今時夫婦、幸一夫婦のたわいもないやりとりが愉快。
なんだかんだ仲良し夫婦。
ご飯の用意しててえらいな幸一。
って思ったら、お父さん無理やり外に連れ出しちゃうし。
はむたまご!ハンバーグ!どうするのよ。
女心がわからない男たちめ。

食べることが印象的に残る映画。

秋刀魚が好きだった小津監督。
鱧はでてくるけど秋刀魚は一切出てこない。
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