いぐあな

太秦ライムライトのいぐあなのレビュー・感想・評価

太秦ライムライト(2013年製作の映画)
3.8
福本さんをみていたら、不覚にも涙が出てしまった。
日本映画界を支えてきた方々へのリスペクトを感じる作品。

いつだかのバラエティで見た事があった、東映京都所属「五万回斬られた男」斬られ役一筋の福本清三さん。彼の最初で最後の主演作品。
正直ストーリーはあんまりなんだけど、苦笑。
昔ながらの撮影所の大部屋さんにフォーカスした話を、大部屋界きっての大ベテランが演じる。この粋な演出。
福本さんだから涙を誘われて、福本さんだから成立した映画かと。

最後の殺陣シーンはともかく動悸が止まらなかった。
ラストのまた美しく格好の良いこと。

どんどんと映像技術は進化して、必要とされなくなるものがあるのは仕方ない。遡ればサイレント映画からトーキーへと移った時には弁士さんがいなくなったわけで。
でもこうして映画文化を支えてきた方々を、映画という自らのカタチで残せていることにロマンを感じた。

福本清三さん、今年年始に亡くなられていたとは。ご冥福をお祈りします。
いぐあな

いぐあな