シミステツ

麦秋のシミステツのネタバレレビュー・内容・結末

麦秋(1951年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

1:1.33の画面比率、登場人物の日常を覗くかのようなカメラワーク、距離感が心地よい。

28歳の紀子への縁談。まんざらでもなさそうな紀子。

家族への相談なしに矢部と結婚することになり家族は不賛成。

「ねえ〜」未婚者と既婚者の対立あるいはすれ違い。結婚してなきゃ幸福など分からない、人参などと言い合う、友人同士のにこやかな対立を描いたのち、結婚することで友人とも生活がすれ違ってしまう物悲しさも描いていく。結婚するしないと話している時が一番なのかもしれない。現実味が帯びてくるとまた変わってくることがある。結婚はいいことだとしながらも、家族が変わりゆく名残惜しさもある。お相手の条件を巡って衝突したり、本当の幸せとは何か。縁談を通して見えてくる家族の在り方。

「いまが一番楽しい時かもしれないよ」

いさむちゃん、手を洗ったふりするし、お菓子をもらうときだけ「大好き」「大好き」「大好き」って言って、もらって用無しになったら「嫌いだよ、大嫌いだよ」っていうところとかかわいい。

「別れ別れになるけど、いつか一緒になるさ」