HidekiIshimoto

麦秋のHidekiIshimotoのレビュー・感想・評価

麦秋(1951年製作の映画)
4.5
原節子という人は日本の昭和の代表のような風貌と何となく思い込んでいたけど、改めて見るととても大陸的な雰囲気を感じさせる不思議な人。西洋的、というかハリウッド的って気もする。ローレン・バコールやバーグマンにも引けを取らないと思ってしまうのは持って生まれたスケール感ゆえなんだろう。OZUが世界の大監督たちにあれほど受けるのは原節子のそういうスケール感の力は大きいのかも。にしてもスケール感など皆無のはずの木造住宅や横丁をジョン・フォードの荒野みたいなスケールにしてしまえるのがやっぱOZUなわけで、とにかく降参。淡島千景と原節子の追いかけっこにはもう萌え萌えで軽くめまい。『東京物語』の夫婦がここでは親子という背徳にもちょっと萌える。