クリーム

ハネムーン・キラーズのクリームのレビュー・感想・評価

ハネムーン・キラーズ(1970年製作の映画)
3.5
1940年代に文通による恋人仲介で出会った男女、レイモンドとマーサが3年間で女性20数名を殺し、逃亡し続けた実話に基づいた映画。『地獄愛』を観て、こちらも気になってたので、鑑賞。こっちの方がグロさ、キモさが低めな分、解りやすく、事件に忠実な感じがしました。
年老いた母親と暮らす、ぽっちゃり看護師マーサは、新聞の恋人募集欄『ロンリー·ハート·クラブ』で知り合ったレイに夢中になります。しかし彼の正体は、独身女性を狙う結婚詐欺師だった。 それでもレイと一緒にいたいマーサは、母を施設に入れ、レイの共犯者として結婚詐欺に加担します。だが、相手女性たちへの嫉妬心を抑えられず、殺して行くのでした。





ネタバレ↓





マーサ目線で、淡々とストーリーが進んで行きます。派手な演出が無い分リアルに観えました。マーサもレイも、見た目を本人達に寄せています。
最初は睡眠薬を使ったりという手口だったのが金づちや絞殺、終いには子供まで殺してしまいます。
終盤で、マーサ自らが警察に電話をかけ、逮捕されますが、作中で、 マーサは、レイが他の女と居るくらいなら刑務所に入った方がましだと言っていました。エンディングで、法廷に出向くマーサに、レイモンドからの手紙が渡され、マーサがそれを読むシーンで幕を閉じます。凄く素敵なエンディングなのです。まるで悲劇のヒロイン。殺人犯を美化するのは、ちょっと違う。殺人鬼を美化した終わり方は、さすがに好きになれなかった。そういった意味では、『変態愛』の方が私は好き。だけど、映画として綺麗で、纏まっているのはこの作品。どっちもどっちだなあ。いっても詐欺師のジジイと美しくはない恋人、騙される年増のオバハンのラブストーリーなんで、気持ちの良いものではないからね…。まあ、普通。
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