ベンジャミンサムナー

銀河鉄道の夜のベンジャミンサムナーのネタバレレビュー・内容・結末

銀河鉄道の夜(1985年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

 田中真弓、坂本千夏、大塚周夫、青野武、納谷悟朗といった豪華声優陣が終始淡々と喋ってるのが新鮮。

 見返してみると、盲目のおっさん、トマト→リンゴ、カムパネルラに見せてもらったアルコールランプで走る汽車、新聞のタイタニックの記事、ミルク=銀河等、序盤から色々と布石が打たれている。

 ということは、『オズの魔法使い』みたいにジョバンニの記憶によって構成された世界なのか?

 だとしたら、鷺狩りのオヤジはジョバンニの父親の投影だったりする?
 
 ジョバンニが丘の上から見下ろす街の明かりを生者の世界として、夜空の星を死者の世界として対比させてるのか?

 まだ呑み込み切れてない部分もあるけど、少年が親友の死をきっかけに生や死について思いをはせる通過儀礼的な物語。
 …ということでいいのかな?

 カムパネルラが死んでも父親が淡々としてるのが一番ゾッとする。

 『千と千尋の神隠し』の電車のシーンは本作のオマージュだけど、活版所で働く場面も湯屋っぽさがある。

 あと、後に公開される『となりのトトロ』終盤で「メイが池に落ちたんじゃないか!?」となる場面があるが、メイを演じた坂本千夏は本作で溺死するカムパネルラを演じてるけどそこの繋がりは意識してるのか?